外壁塗装で架け橋を塗る

国内にある大橋は、道路・鉄道の併用橋で、道路部の長さは37・5㎞あります。度重なる台風や天災にも耐えています。海水、強風、振動など、最も過酷な条件下に置かれたこの橋を保護しているのも塗料と塗装技術だと考えられます。  この実績は某架け橋に引き継がれ、銅橋の塗装系が完成の域に入りました。まず、大型ケーソン(潜かん工法で固定される鋼鉄製の基礎構造物)や橋げた、塔などは各橋梁メーカーや造船所でブロックごとに建造、塗装され、海上をクレーン船で運ばれて架設されます。その架け橋は世界最長と言われる吊り橋であり、ケーブル架設の第一歩であるパイロット口ープの渡海にはヘリコプターが使用されました。吊り橋の命綱であるメインケーブルは、約6万卜ンの荷重を支えることができるそうです。  新設の場合、塗装は全て工場で行われます。組立加工前の鋼材にはさび止めのために無機ジンクリッチプライマーが塗装されますが、組立後にブラストで全面除去されます。その後、第1層である無機ジンクリッチペイントが塗装され、Zn粒子の連結でZnメッキと同じ犠牲陽極作用を発揮させます。この塗膜は空隙が多く、上塗りによるピンホール発生を防止するため、第2層のエポキシ樹脂塗料の含浸で表面を覆います。目止めのようになり、ミス卜コートと呼ばれます。この上に、外壁塗装の下塗りが2回、中塗り、上塗りが各1回塗装され、6回の塗装で、塗膜の厚さは全部で270㎛以上になります。下塗り、中塗りがエポキシ樹脂塗料で、上塗りにはふっ素樹脂塗料が採用され、瀬戸大橋よりも一段と耐候性が強化されました。  巨大大橋のように長期耐久性を必要とする建造物などに対しても、外壁塗装や塗装が役に立っているようです。

外壁塗装でタワーを塗り替える

 都内にあるTタワーは5年に1回の割合で塗り替えが行われてきました。さびが発生する前に塗り替えるので、さび落としのための旧塗膜をはがすことがほとんどありません。これまでの累積で塗膜の膜厚は800㎛(新聞紙16枚程度)以上になります。  タワーの塗装面積は都内の野球場面積の2倍に当たる7万8000㎡、塗料の使用量は(0・4㎏/㎡×78000㎡=3万1200㎏)20㎏入り石油缶で約1560缶となると考えられます。このうち揮発性有機化合物(VOC)である有機溶剤は約24%(約7400㎏)含まれており、VOCは大気中に揮発すると化学反応を起こし、光化学スモッグの原因物質になります。VOCの排出規制は改正大気汚染防止法(06年4月施行)に従って強化されていますが、屋外塗装工事は対象外となっています。東京都は環境局が中心になって、VOC排出の自主規制を強く呼びかけ、メディアも水性塗料を採用した試験箇所の塗替え工事を積極的に取り上げたようでした。水性塗料の塗装系にすると、VOCが従来の塗装系に比べて大幅に削減出来たと言われています。  都内にあるTタワーは周年記念を迎えるにあたり、塗り替えの一部に水性塗料を採用し、施工はおよそ1年間かけての集中工事で進められました。作業時間はそのタワーのライトアップが消える午前0時から7時頃までです。ケレン棒と呼ばれる工具でさびや汚れを落とし、下塗り、中塗り、上塗りを全てはけ(刷毛)塗りで行います。高所ゆえに職人は塗料が飛散しないよう、かつ安全には細心の注意を払って工事を進めていたようでした。  外壁塗装を塗装する上で水性塗料の使用がVOC削減につながる可能性がある事で、こちらのタワーにおいても環境に配慮した塗装が行われたといえるのではないでしょうか。